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ボストンダイナミクスの最新AIロボットが産業現場で活躍中

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Cognite-Robotics-Spot

皆さん、黄色の犬型ロボットを動画などで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?ボストン・ダイナミクス社が製造している「Spot」というのですが、CogniteではSpotを利用して製造現場のデータ取得や遠隔での自動点検などに取り組んでいます。本記事では、その取組についてご紹介します。

 

ボストンダイナミクスのロボット犬「Spot」とは?

ボストンダイナミクス社はロボットの研究開発を牽引するアメリカ発の会社です。同社が開発したAI搭載四足歩行ロボット「Spot」は犬のように歩行し、階段や足場の安定しない場所でもスムーズに動き回ることが可能です。LiDARやカメラ機器、アームなどを取り付けることも可能で、様々な用途での活躍が期待されています。

boston-dynamics

そのカスタマイズ性から、実際に何に活用できるかは、ボストンダイナミクス自身も模索中ですが、エネルギー企業や、建設現場などでの実証実験が開始しています。最近では、ボストンダイナミクス社は、SpotのSDKをGitHub上に一般公開し、誰でもアクセスできるようになりました。

 

カスタマイズ可能

ボストンダイナミクスのSpotには合計で前後左右に合計5台のカメラを搭載しています。フロントカメラだけではなく、前後左右のカメラを利用することで、障害物を検知し、適切に避けることを実現しています。階段のような障害物がある時は簡単に乗り越えることができます。また、人間の操縦ミスによる衝突も起こらないように自動で避ける機能が搭載されています。

spot-camera

この前後左右の5台のカメラに加えて、背中に高精度の360度カメラを設置することが可能になります。この高精度カメラを使用することで、より細かく周囲の状況を把握したり、ロボット自体を遠隔操作することも可能です。

spot-360camera

他にも、LiDAR(レーザー光を用いたセンサー)を使用して、周囲の環境をマッピングする機能を追加できます。

ボストンダイナミクスのSpotには、これらの高精度カメラやLiDARに加え、様々な機器を追加することができます。例えば、アームを取り付けることでドアの開け閉めを行ったり、音響カメラを取り付けることで周囲の音も検知することが可能です。

バッテリーの持続時間は90分ほどと言われており、腹部にあるバッテリーを外して簡単に交換することができます。

 

産業現場で活躍!ボストンダイナミクス「Spot」

ボストンダイナミクスのSpotは産業での活躍も期待されています。1つが保守点検を行うパトロールロボットとしての役割です。多くの産業現場では、定期的な点検作業が必要になります。現場に異常が無いか、作業が計画通りに行なわれているか調査・記録することが求められます。ここで、Spotに高精度の360度カメラを搭載することで、自動で点検してもらうことが可能です。予め設定したルートに沿って自律歩行できるSpotの特性と、足場の悪い工事現場でも稼働できる特性によって実現しています。歩行中に得られたデータを分析することで、今後の運用改善にも役に立ちます。これは、危険な作業現場ではより大きな価値を生み出します。

遠隔でのメンテナンスも可能になります。高精度の360度カメラを搭載し、Spotを制御室から遠隔で操作することで、メータの計器点検や、写真撮影など、離れたところから作業を行うことができます。海上にある石油掘削現場などの、距離的観点や安全性の観点から人が行きにくいところで大きな力を発揮します。

その他に、LiDARを用いて周囲のマッピングを自動で定期的にSpotに行ってもらうことで常に最新のデジタルツインを作成することが可能です。Spotがスキャンした新しいデータを用いてデジタルツインやマップのアップデートが可能になるのです。

spot-industry

 

石油ガス産業での活用

製造業や石油ガス産業など重厚長大企業のデジタルトランスフォーメーションを支援しているCognite(コグナイト)は、ヨーロッパ最大級の石油およびガス会社であるAker BPとの戦略的な提携を締結しています。ボストンダイナミクスのロボット犬「Spot」を使用して、石油の掘削を行っている海上プラントの運用をより安全で、効率的、そして、より持続可能なものにする方法を探っています。

CogniteとAker BPは、2020年にノルウェー海にある海上プラントでSpotを使用してさまざまなテストを行う予定で、Spotを用いた自動検査や、データ収集、自動レポート生成に関するパフォーマンスをテストします。

 

この実証実験では、Cogniteの製品であるCognite Data Fusion(CDF)がデータインフラストラクチャとして機能しています。クラウドベースの産業用データプラットフォームであるCDFは、クラウド、エッジ、ITシステムおよびOTシステムをシームレスに統合することが可能です。 Spotから収集されるデータを他のデータと結びつけることで、Spotの価値を最大限引出します。

 

Spotを用いた研究開発をCogniteで担当しているElias博士にインタビュー動画も合わせてご覧ください。

 

 

ボストンダイナミクス「Spot」の今後の可能性

労働人口の減少や、生産性の低さなどに対応するため、Spotのようなフィールドロボットの活用は日本でも注目されています。実際にボストンダイナミクスのSpotは中部電力株式会社や鹿島建設など、電力や建設現場での活用にむけた実証実験が開始しています。

ロボットを上手に活用することで、現場でのデータ収集の自動化や、保守点検の自動化、安全性の向上などが見込まれます。

産業だけではなく、2019年にはアメリカのマサチューセッツ州の警察が、ボストンダイナミクスのロボットを使用しています。危険な現場でのロボット活用は今後も進んでいくのかもしれません。

まだまだほとんどの事例は実証実験の段階ですが、今後のSpotの活躍に期待です。

その他、Cogniteでもフィールドロボットを活用した事例を紹介しています。ご興味のある方は、下記のリンクより資料をダウンロードください。

JP-Robot-WhitePaper-Cover

 

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