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産業向けDataOpsを始める絶好の機会が到来

目次

(再)発明の母

2020年、かつては無敵と思われた特定の産業分野が、存続の危機への対応を余儀なくされました。経済は壊滅し、原油価格は歴史上初めてゼロを割り、航空会社の株は大暴落し、相当な数の人が職を失いました。

最悪のシナリオはもはや単なる仮説ではなく、変革、脆弱性への対処、回復力の強化、デジタル化の促進に向けた大規模な取り組みがなければ、十分に起こり得ることでした。実際のところ、生命、仕事、市場を救うテクノロジーがまだ登場していない10年前や20年前に今回のようなパンデミックが起きていたとしたら、事態ははるかに悪化していたことでしょう。

石油・ガス、製造、電力・ユーティリティといった、かつてアナログだった伝統産業において、デジタルツールを採用し始める動きが一気に加速しました。

COVID-19によってほとんどの作業者が在宅を余儀なくされたため、我々は一斉にリモートワークをテストし、おおむね成功しました。さらに、リモートオペレーションを試験的に実施するとともに、産業データから真の価値を生み出すテクノロジーの強化について知識を深めました。必要が「大規模な再発明の母」となったのです。

こうした産業はその一方で、環境に与える影響と歯止めのない排出の責任を認めるべきだという世論や財政的な圧迫に対して、取り組みを始めました。

それにもかかわらず、前例のない気候関連の災害が我々の面前で繰り広げられました。それはパンデミックで受けた損失にさらに追い打ちをかける痛手であり、我々は恐ろしい現実から目を背けることができませんでした。オーストラリア、そして米国のカリフォルニア州とコロラド州での森林火災、送電網の障害、米国メキシコ湾岸を襲った記録的な数のハリケーン、東南アジアでの記録的な洪水、シベリアでの永久凍土の融解など、世界各地で多くの災害がありました。

目を大きく見開く

こうした現実がいかに不快なものであっても、目を大きく見開くことでチャンスが訪れます。2020年に産業企業全体が遂げた進歩は、その大部分が必要性と真の切迫感から生じたものとはいえ、すばらしいことでした。全般的に見て、デジタルトランスフォーメーションはもはや乱用されるPR用語でも、リスクの高いCAPEXの手段でもありません。

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産業向けソフトウェア、デジタルツール、ロボット工学、新しいアジャイルな働き方の採用が広まっています。これらは、これまで重厚長大産業が後れを取っていた領域です。

産業データの価値は、新世代のソフトウェアソリューションによって民主化され、コンテキスト化されることで、今や広く認められています。そして最後に、このようなデータを共有、公開、要約しようという意欲が我々の産業全体に広まりつつあります。今こそ、産業データを活用するときです。

こうした必要かつ持続可能な再発明の基盤が、今ここにあります。この基盤は、公的および経済的なインセンティブ、競争的な動機付け、生存本能、イノベーション、嘘偽りのない善意で成り立っています。今すぐ、そして大規模に、実際のトランスフォーメーションの業務を行うノウハウ、テクノロジー、ツールが必要です。

産業向けDataOps:新しいツールの登場

絶対に必要なツールを1つ挙げるなら、急成長を遂げつつあるDataOpsの新しい分野、すなわち産業向けDataOpsの今までにないアプローチです。

現代の産業においてはまだ構想段階に過ぎませんが、このアプローチは産業データを具体的な価値へと変える、最も重要な唯一の手段になると期待されています。そうすることで、産業向けDataOpsが産業変革の原動力となります。

産業向けDataOpsは実に革新的かつ変革的な新しいアプローチであるため、6章構成の本書の残りの部分を使って、産業向けDataOpsとは何か、貴社および貴社の産業にとって重要である理由、今必要な理由、そして導入を開始する方法について余すところなく説明します。産業向けDataOpsの基本は、ここから始まります。

2010年代のDevOps、1990年代のビジネスインテリジェンス、1890年代の人事がそうであったように、2020年代において産業向けDataOpsは耳新しく、まだ広く知られた存在ではありません。

産業向けDataOpsとは

産業向けDataOpsの核となる原則については、以降の章で詳しく説明します。したがってここでは、基本的な概要だけを簡潔にご説明します。それではまず、DataOpsとは何かを定義しましょう。DataOpsは、一般に「データ重視の企業をサポートするツール、プロセス、組織構造を提供する」ために存在する、データの専門家(データサイエンティスト、アナリスト、アーキテクトなど)のチームを含む新しい分野であると定義できます。

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Gartnerによると、「DataOpsとは、組織全体でのデータ管理者とデータ利用者間のコミュニケーションの向上、およびデータフローの統合と自動化の改善に焦点を当てた、共同作業によるデータ管理の手法」と定義されています。

Forresterによると、「DataOpsとは、ソリューションの実現、データ製品の開発、データのアクティブ化によって、インフラストラクチャからエクスペリエンスに至るすべてのテクノロジー階層でビジネスの価値を実現する機能」と定義されています。

この説得力のある2つの定義に共通するのは、共同作業の重要性と、組織のさまざまな部分にわたるデータ統合の重視です。

産業向けDataOpsは、部門間の壁を取り払い、産業データの幅広い可用性と有用性を最大限に活用します。これは、石油・ガスの上流部門、再生可能エネルギー、ユーティリティ、自動車、製造といった重厚長大産業で生成されるデータを意味します。

産業向けDataOpsに関する3つの重要な真実

産業向けDataOpsには、特定分野の専門家(SME)との共同作業が必要です。

データを組織全体のデータ利用者(さまざまな現場および部署の特定分野の専門家)にとって有益かつ有用なものにするには、個人および連携(プロセスおよびツールの範囲にとどまらない連携)が不可欠です。忘れてはならないのは、DataOpsは一種の手法、つまり、データから生じるさらに大きな価値を共有するだけでなく獲得するために、組織全体で取り組み、共同で作業する手段であることです。

データの価値は、その背後にある分析とデータを使用する人の規模によって決まります。

データと分析の融合により、産業向けDataOpsは運用に欠かせないものになっています。ただし、データの専門家でない人々に広く使用されるなら、データにはコンテキストが必要になります。データプロセスを自動化し、中心的な信頼できる唯一のコンテキスト化された情報源を作成することによってのみ、意思決定プロセスにおいてライブデータが以前のデータ(過去の静的なドキュメントおよびレポート)を上回る有用性を発揮します。

データの価値を引き出すにはアジャイルなアプローチが必要です。

産業向けDataOpsは、文書化、レポート、事前の大規模設計を行うのではなく、実験、繰り返し、フィードバックを必須とする、はるかにアジャイルなプロセスです。ビジネス価値の創出は、データサイエンティストと部門との間で行われる一方通行の処理ではありません。変革の可能性を秘めたソリューションに対して両当事者の関与、共有、開発が必要となる共同の取り組みです。データが生きているのとまったく同じように、データを扱う手段も生きています。

産業向けDataOpsではないもの

産業向けDataOpsはDevOpsではありません。DevOpsはしばらく前から存在しており、表面的な共通部分はいくつかありますが、大きく異なります。どちらも運用上の手法を強化する方法論ですが、似ている点はそれだけです。

DataOpsが主眼を置いているのは、ビジネス対応の、信頼性に優れた、実行可能な高品質のデータを組織全体のすべてのデータ利用者または特定分野の専門家に提供することです。1つの目標はデータガバナンスと統合を中核とする、自動化への取り組みです。

もう1つの目標は、ITシステムのサポート、運用、ビジネスの間での調整です。一方、DevOpsで重視しているのはソフトウェアとアプリケーションの開発です。自動化への取り組みは、開発サイクル、ソフトウェア配信プロセス、無駄の排除に重点を置いています。開発者、オペレーション、ビジネスの調整が、DevOpsの主要な目的です。

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今なぜ、産業向けDataOpsを選ぶべきなのか

産業向けDataOpsは、データリテラシー(データの読み書きおよび通信の能力)推進の必須要素です。さらに、データリテラシーはデータおよびデジタルから最適な価値を引き出す鍵となります。したがって、産業向けDataOpsを採用する組織が増えるほど、データ変革の可能性を本当の意味で活用する準備が整います。その結果、我々は持続可能で効率的、安全な産業オペレーションという共通の最終目標に一歩近づきます。

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ここまでで述べてきたことは、重厚長大産業がソリューションおよびデータ製品を開発し、企業全体で価値を引き出すために、データをどのように活用できるのかを探る出発点です。ついこの間まで、データは保護された商品であり、個人だけで利用され、さらには交渉の取引材料として使用されていましたが、今やそのことを想像するのはほとんど不可能です。ありがたいことに、これは一時的な狭量さであり、データの驚くべき可能性を認める先見性を持った人々は、このような考え方を意に介しませんでした。彼らの未来像が残りの者へと広がり、広大なデータの海での救命ボートとして産業向けDataOpsが出現する起爆剤となりました。

では、なぜ今DataOpsが必要なのでしょうか。高度なデータオペレーションと新しい働き方の導入を遅らせれば、結局は会社の、ひいては産業の変革が遅れるだけだからです。その結果、最終目標の達成は遅くなり、困難になり、さらに費用がかかることになります。

重厚長大産業では、データの力に加え、意思決定に情報を提供し、オペレーションを変革し、サステナビリティを強化するデータの能力に目覚める企業が急速に増えています。

このような動きの中で、産業向けDataOpsを組織に展開するための必須のガイドとして、本書をご利用いただければ幸いです。