Cogniteが主催する、産業AI&データのグローバルカンファレンス「Impact 2025」が、10月13〜16日の4日間にわたって米国ヒューストンで開催されました。
今年で2回目を迎える当イベントは #UnlockAI をテーマに開催され、参加者は前年比2倍以上となりました。イベントでは産業AIにおけるCogniteのリーダーシップと、産業分野で価値創出を加速させる同社のエコシステムをハイライトし、基調講演ではDatabricks、Snowflake、NVIDIAとの提携の他、2035年までに顧客価値1000億ドルを実現するという目標を発表しました。また、ユーザー企業による最新のユースケースセッション・パネルディスカッションを中心に40以上のセッションが行われました。

プロダクトキーノートには、日本企業からコスモエネルギーホールディングスCDOのルゾンカ典子氏が登壇しました。また、ブレイクアウトセッションには出光興産の秋山成樹氏、日本触媒の中川博貴氏、コスモエネルギーホールディングスのルゾンカ典子氏とコスモ石油の吉井清英氏が登壇しました。
プロダクトキーノートにコスモエネルギーホールディングスCDOのルゾンカ典子氏が登壇
プロダクトキーノートセッションでは、最新の製品ビジョンと次世代の産業AIのブレークスルーをデモと共に発表しました。コスモエネルギーホールディングスでCDOを務めるルゾンカ典子氏が登壇し、エンタープライズ規模でのデータプロダクトの実現を通じて、予兆保全やコラボレーティブメンテナンス、技術伝承を支えるデータ基盤の拡張に取り組んでいることが紹介されました。

ブレイクアウトセッションに出光興産、日本触媒、コスモ石油が登壇
出光興産によるAIエージェント取り組み事例

出光興産では、意思決定の高度化を目的として、2025年からAtlas AIの検証を開始しています。社内ハッカソンでは、情報検索を効率化する「検索特化エージェント」や、緊急トラブル対応を支援する「迅速対応エージェント」を開発し、社内でのテスト運用が開始されています。今後はAIエージェントの精度向上と普及を進め、現場のさらなる業務革新を目指しています。
日本触媒によるプラント現場主導のCDF活用事例

日本触媒では、2022年にCognite Data Fusion(CDF)の導入を決定し、2024年にはマザー工場内の全プラントのデータ登録を完了しました。現場に寄り添ったユースケース開発を進めた結果、現在は製造所所員の約8割がCDFを活用しています。また、CDF導入と並行して巡回点検システム「Cognite InField」も採用し、わずか10ヶ月で導入から運用開始まで実現。点検作業の品質向上と業務効率化を着実に推進しています。
CDF導入によって得られるビジネス成果に関するコスモ石油の事例

コスモ石油はCDF導入により、部門間で分断されていたデータを統合し、AIやダッシュボードを活用した意思決定と業務効率化を推進しています。初年度ROIは高く、特にIT部門で大きな成果を上げました。今後は全社展開とAI活用の深化、予知保全の拡大を目指しています。
日本企業がImpact Awardを受賞
キーノート内で行われた「Impact Award」では、Cogniteのお客様・パートナー様の優れた成果をたたえて表彰式が実施されました。
日本企業から「AI Innovation」のカテゴリーで出光興産、「Business Impact」のカテゴリーでコスモエネルギーグループがファイナリストに選出されました。


また、個人部門では、「Cognite Champion」のカテゴリーでコスモエネルギーホールディングスのルゾンカ典子氏が表彰されました。

最後に
Impact 2025では、産業AIの最前線を担う企業が集まり、データとAIによる価値創出の未来が示されました。出光興産、日本触媒、コスモ石油の事例は、日本企業がデータ活用を進め、確かな成果を上げている成功例として注目を集めました。Cogniteは今後も産業界の変革を支援していきます。