一週間にわたるImpact 2025は盛況のうちに幕を閉じました。初開催の昨年と比較して2倍以上の規模となった今年のカンファレンスでは、より多くの参加者が業界リーダーや同志との交流を通じて、産業AI戦略を加速させる学びの機会を得ました。
LNS Researchのプリンシパルアナリスト兼リサーチディレクターであるニールス・アンダーセン氏は次のように述べました。「Impact 2025でのエネルギーは非常に活気があり、素晴らしい会話と興奮が溢れています。Cogniteのムーンショット目標である顧客価値1000億ドルの創出は刺激的であり、会社が正しい優先順位を持っていることを示しています。顧客プレゼンテーションは洞察に満ちており、実際のプロジェクト、実際の学び、実際の価値を示しています。Cogniteとユーザーベースは、ナレッジグラフがAtlas AI™を強化し、人間ができる以上のデータを文脈化し処理する新時代に入っています。これにより、より速く、より高い精度で貴重な洞察を提供するという約束があります。」
今年のImpact 2025での注目すべきハイライトをいくつかご紹介します。
主な発表とレポート
- NVIDIA、Databricks、Snowflakeとの新たな戦略的パートナーシップを発表
- ARC Advisory Group: From Data Fabric to Digital Teammates: The Agentic AI Vision at Cognite IMPACT 2025
- IIoT World: Embedding AI Agents Into Industrial Data Pipelines: What Manufacturers should watch
- Computer Weekly: Cognite Aims to Deliver Hydraulic Lift for Asset-Heavy Industries
基調講演
- Cognite CEOのギリッシュ・リシiは、2035年までに「顧客価値1000億ドルを創出する」というムーンショット目標を発表しました。Cogniteの産業AI&データプラットフォームが、操業現場の生産性を高め、バリューチェーン全体の価値を引き出し、Snowflake、Databricks、NVIDIAといったパートナーとの協業を通じてAIの価値創出を加速させていることを強調しました。
- 続いて、Aker BPのCEOのカール・ジョニー・ハーシュヴィック氏が登壇し、同社での包括的なデータ戦略とビジネス再編を軸に、自律型の洋上運転を実現するまでのデジタル変革の道のりを紹介しました。
- TotalEnergiesのデータ&デジタルテクノロジー担当VP、エマニュエル・ブレシェ氏は、今後3年間で39の上流部門の設備に堅牢なデータ基盤を整備し、現場の専門家がAIの力を最大限活用できる環境を構築する計画を発表しました。
- 2日目の基調講演では、Cogniteのプロダクトチームが次期ロードマップを公開しました。Aker BP、コスモエネルギーホールディングス、Celaneseが特別ゲストとして登壇し、直感的なユーザー体験の実現、ローコード/ノーコードによるAIエージェントアプリの開発支援、スケーラブルな予測AIインサイトの提供などが言及されました。
- 4度のパラリンピック出場経験を持つセーラー(ヨット選手)であり、Stiftelsen VI財団のCEOでもあるビョルナル・エリクスタッド氏が登壇。データを活用して競技パフォーマンスを高める自身の経験を語りました。
ブレイクアウトセッション
今年は、顧客、パートナー、Cogniteメンバーによる合計39のブレイクアウトセッションを開催。「Insights」「Innovation」「Foundation」の3トラックのテーマで、様々な事例が共有されました(登壇者一覧・詳細はこちら)。
Insightトラックでは、意思決定や生産性の向上に焦点を当てた取り組みが発表されました。
- SLB & Shaya: AIと統合データソリューションを活用した運用効率と意思決定の革新
- Kuraray & Pinnacle: 予測モデリングによる信頼性、運用パフォーマンス、コスト効率の向上
- Radix & International Paper: Cognite Data Fusionを基盤として、自社チームがによるGolden runアプリケーションの開発経緯と事例
- コスモエネルギーグループ: Cognite導入の取り組みを通して得た知見と、ROIと運用効率の向上の実現
Innovationトラックでは、創造性とテクノロジーの限界に挑む最前線の取り組みが発表されました。
- AkerBP: AIエージェントによる作業時間の大幅削減事例
- 出光興産: 現場エンジニアによるAIエージェント活用の実践紹介
- HMH: 予測型プロセスへの転換を目指す、AI活用型ドリリングの構想
Foundationトラックでは、AIとデジタルツールをスケーラブルに展開するための基盤構築をテーマに議論されました。
- TGS: CDFの運用データと地層データを統合し、大規模地震探査データをモダンなプラットフォームへ変革
- TotalEnergies: データプロダクトアプローチによるエンドユーザーへのデータ提供拡大
- NOVA Chemicals: CDFを活用し、企業全体での業務最適化を実現
- Mamata: ユースケースを再構築せず拡張できるスケーラブルなデータモデル構築事例
Impactアワード
数多くのAI革新と進歩と遂げる、5つの企業・リーダーが表彰されました。受賞された皆さまに心よりお祝い申し上げます。
- AI Innovation: ADNOC Offshore
Atlas AI導入を含む全社的なAI推進とその実績 - Business Impact: Aker BP
産業AIを活用し、200億ドル規模の洋上設備における自律運転化の推進 - AI Partner: Microsoft
CogniteをAIマーケットプレイスのローンチパートナーに採用し、世界各地の産業イベントで協働 - Cognite Champion: コスモエネルギーホールディングス ルゾンカ 典子氏
AI Summit、ユーザーグループイベント、メディア、講演活動などの社内外の産業コミュニティにおいてCogniteの価値を発信 - Cognite Community MVP: SLB Aditya Kotiyal氏
Cognite Hubでの投稿などのアクティビティを通じたトップクラスの貢献
今後に向けて
Impact 2025で生まれた熱気と勢いを超えるのは容易ではありませんが、Cogniteはすでに来年に向けて動き始めています。今年発表された各プロジェクトの進展を、次回のイベントでさらに大きな成果としてお見せできることを楽しみにしています。
今後数週間にわたり、カンファレンスの追加ハイライトも順次公開予定です。産業AIとデータ活用のさらなる進化を、皆さまと共に推進してまいります。
皆様からのご意見・ご要望はCogniteコミュニティ、またはevents@cognite.comまでお寄せください。

