DataOps - データに対する投資対効果の変革をもたらす新しいアプローチ

by Petteri Vainikka

DataOpsは英語のdata operation(データオペレーション)に由来する語で、データ管理と産業界のオペレーションに革命を起こす大きな可能性を持っています。本記事では、DataOpsが何を意味するのか、なぜDataOpsが他の取り組みと異なるのか、そして企業がより大きな成功をおさめるためにどのようにDataOpsに取り組めばよいのかについて紹介します。

DataOpsとは

DataOpsの定義から始めましょう。以下のGartner社とForrester社のいずれの定義でも、コンセプトの中心にコラボレーションがあることを強調しています。

“DataOps is a collaborative data management practice focused on improving the communication, integration and automation of data flows between data managers and data consumers across an organization.” - Gartner

もう一つの共通点として、DataOpsでは、組織のさまざまな部分を横断する形でのデータ統合に重点を置いています。DataOpsとは、データのサイロ化を解消し、広い範囲でデータを取得し、利用できるようにしていくことなのです。

“DataOps is the ability to enable solutions, develop data products, and activate data for business value across all technology tiers from infrastructure to experience.” - Forrester

しかし、ここまでの説明を聞くと、データの活用を目指すことと何が違うのかと思われるかもしれません。
DataOpsとは、データの活用と評価を自動化、管理、そして運用可能にするテクノロジーを活用することで、最終的にはデータからビジネスを予測し、マネジメントを変えることを目指しています。
つまり、テクノロジーを活用し、データを信頼して活用できる状態を常に保ち、ビジネス側はそのデータを活用して業務や意思決定を行い続けることを目指しているのです。

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DataOpsとDevOpsは違うものである

「DataOpsはこういうものではない」という視点からも見てみましょう。少し前からDevOpsについて語られるようになりました。DataOpsとDevOpsは似ているように見える部分はありますが、この二つは異なるものです。どちらも運用の取り組みを強化する方法論ですが、共通点はほとんどありません。

DataOpsでは、すべてのエンジニアをはじめ、データを利用する一般のビジネスパーソンまでが活用できる、ビジネスに役立ち、信頼でき、実用的な高品質のデータを提供することに重点的に取り組みます。自動化の取り組みでは、データのガバナンスと統合が中心になります。もう一つの重要な目標はITシステムサポート、オペレーション、そしてビジネスの連携です。

一方、DevOpsでは、ソフトウェアとアプリケーションの開発に重点的に取り組みます。自動化は開発サイクル、ソフトウェアデリバリープロセス、無駄の排除を中心に行われます。開発者、オペレーション、ビジネスを連携させることがDevOpsの主な目的です。

現在のDataOpsの導入状況は?

DataOpsは比較的新しいコンセプトで、今後、具体的なベストプラクティスが出てくることが期待されています。このような状況で、一部のテクノロジー企業はDataOpsの話題性に便乗し、既存のソリューションにDataOpsというワードを用いて、DataOpsをわかりにくいものにしています。

DataOpsへの関心が高まっているのは、組織において多くのプロセスや手順がサイロ化しており、広範囲でのデータコラボレーション、教育、ツールの進化が求められているからです。現在、DataOpsを部分的に実践し、データと分析に変革をもたらそうという取り組みが見られますが、まだその道のりは長いといえます。

DataOpsがビジネスにもたらす影響とは?

DataOpsの導入に成功した企業では、ビジネスにおいて求められるデータの取得が容易になり、データの活用や、データを用いるソリューションの実装も行うことができるようになるでしょう。

継続的かつ信頼のおける形でデータを確保・活用配信することで、具体的には以下の活動のスピードと効率を向上できると考えられています:

  • 分析
  • ビジネスインテリジェンス(BI)の取り組み
  • 継続的な情報収集活動
  • 運用・制御データの利用
  • 機械学習(Machine Learning、ML)アプリケーションのためのデータ
  • その他のデータを利用する活動

さらに、自動化とより信頼のおけるデータパイプラインへの移行を推進することで、組織でリスクを最小化し、データを展開する可能性を高めます。

以下の表は、DataOpsを実現する主要なソリューションの特徴の概要を示しています:

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DataOpsで成功するには

DataOpsの新しい取り組みの恩恵を受けたいと考えている組織に対して、Gartner社はプロジェクトを立ち上げる際のアドバイスを提供しています:

  1. 厳密に定義されたスコープにて行う。
  2. エグゼクティブレベルでの支援を確保する。理想的にはCDO(Chief Data Officer、チーフデータオフィサ)またはその他の高い職位を持つデータと分析に関するリーダー。DataOpsはデータの利用者にデータを提供する新しい方法であるため、この点は非常に重要です。
  3. DataOpsのコンセプトを導入する際に、既存の慣習を変えることへの抵抗があり、それを乗り越えるための準備をする。
  4. DataOpsを実現するために、データリテラシといった他の新しい取り組みを活用する。
  5. DataOpsは取り組みであり、技術やツールではない。DataOpsはツールによって支援される組織の文化的な変化である。

DataOpsはデータリテラシの向上に欠かせないものです。データリテラシとは、コンテキスト化されたデータを読み、書き、理解する能力です。データから最適な価値を得るには、データリテラシが欠かせません。したがって、多くの組織がDataOpsを導入すればするほど、これらの組織では、データの持つ革新的な可能性を最大限に活かす体制が整うでしょう。

 

最後に、調査会社によるDataOpsに関するレポートをお読みになりたい方は下記のレポートをダウンロードください。


JP-IDC-PAPER