<img height="1" width="1" style="display:none;" alt="" src="https://px.ads.linkedin.com/collect/?pid=1205042&amp;fmt=gif">
Home
Blog

製造業向けDataOpsプラットフォームとロボットを連携しデータ取得を自動化する

· ·

Share on:

Robots-DataOps-Header

本記事はin Hart Energyに掲載されたものです。

製造業向けDataOpsとは、産業データのサイロを壊し、広く利用可能で使いやすい状態に最適化することです。そして、フィールドロボットのような遠隔操作や自立稼働可能なロボットの導入によって製造業でのDataOpsをより進めることができます。

ロボットは生産性と安全性を向上させるだけでなく、製造業において作業員が日々行う多くのタスクの繰り返しや退屈さをなくします。新型コロナウィルスのパンデミックの際には、ロボットの利点が認識され、遠隔地からの運用ができることの必要性が明らかになりました。

ロボットシステムの開発は転換期をむかえています。ロボットには製造業の現場で作業する能力があり、十分安全で、特定の業務を自動化する機能を持っています。また、合理的な価格で導入できるようにもなってきています。

また、世界的な要望もロボット導入を検討するきっかけとなっています。製造業の中でも、石油・ガス事業、電力・公益事業、化学や鉄鋼といった重厚長大産業は、世界のエネルギーやモノの需要を満たすようにより多く生産しながらも費用、温室効果ガス、廃棄物を減らさなければならないというプレッシャーにさらされています。

このような課題に対処するにはハードウェアだけでは不十分です。適切な製造業向けソフトウェアがなければ、ロボットはただのサイロ化されたシステムと同じとなってしまいます。デジタルトランスフォーメーション戦略にロボットを組み込むには、企業はロボットが集めた価値あるデータを収集しつなぎあわせ、IT、OT、ETシステムから得られた他のデータとともに関連付け(コンテキスト化)し、増え続けるデータの利用者がデータを利用し理解できるようにする必要があります。

 

ロボットが必要とする製造業向けDataOpsプラットフォームとは?

上記のような様々なシステムのデータを組み合わせた組織横断的なデータ管理は、DataOpsと呼ばれています。DataOpsはデータを扱うための特定のアプローチで、自動化を促進したい企業には欠かせません。

2020年代の製造業向けDataOpsは、2010年代のDevOps、1990年代のビジネスインテリジェンス、1890年代の人的資源のようなもので、まだまだ著名ではありません。端的にいうと、製造業向けDataOpsとは、産業データのサイロを壊し、広く利用可能で使いやすい状態に最適化することです。そして、ロボットの導入にDataOpsは欠かせません。

製造業向けDataOpsは製造業のもつあらゆるデータを利用可能にし、データに意味のあるものにするものにします。用途は多岐に渡ります。重厚長大産業での事例として、保守ワークフローの最適化、エンジニアリングシナリオの分析、アセットプロセスと計装図をインタラクティブかつ共有可能にするためのデジタル化などがあります。

製造業向けDataOpsによって、石油・ガス企業は人にとっても、ロボットにとっても重要な3Dデジタルツインを構築できるようになります。ロボットはデジタルツインのデータに基づいて産業施設を移動し、ロボットが撮影や取り付けられたセンサーで認識したデータでデジタルツインを最新の状態に保ちます。このようにハードウェアとソフトウェアが密接につながることで、何千もの画像、センサーの読み取り値、その他のデータに人間がするように意味づけをしたり関連づけをしたりできるようになります。

産業界ではロボットが自律的な遠隔監視作業を実行するために製造業向けDataOpsが求められていますが、ロボットが作業から持ち帰ったデータを理解するためにも製造業向けDataOpsが必要なのです。

Manufacturing Robot Arm

 

フィールドロボットの活用事例

国際的な製造業向けSaaS企業のCogniteは、長年にわたって世界中の重厚長大産業と業務のデジタル化に取り組んできました。Cogniteの製造業向けDataOpsプラットフォームであるCognite Data Fusionは、石油・ガス、電力・公益、製造、海運といった業界の企業の自動化とロボットデータのコンテキスト化の基盤になります。

 

ボストンダイナミクスのSpotを北海油田のオフショア施設で活用

2020年、Cogniteとヨーロッパの独立系E&P企業のAker BP社は、北海の沖合210キロの浮体式生産・貯蔵海上ユニットであるSkarvの施設で、先駆的な遠隔操作の海上ミッションを協力して遂行しました。このプロジェクトでは、ボストンダイナミクス社が開発した四足歩行ロボットSpotが使われました。

Boston Dynamics Spot robot

Spotの海上での機動性とコミュニケーション能力が検証・テストされました。1週間にわたって陸上のホームオフィスからスポットを遠隔操作しました。タスクには自律的な検査、高品質のデータの取得、レポートの自動生成が含まれました。

このSpotの導入は石油・ガス産業におけるロボットの利用拡大に向けた重要なステップであり、ロボットが検査のための巡回や夜勤、その他の反復業務にどのように対応できるかを示しています。ロボットを利用した遠隔業務は、費用を削減し、オペレーターは海上業務をより安全、効率的かつ持続可能にするといったより踏み込んだ作業に多くの時間を使えるようになります。

 

電力会社での遠隔施設の自律検査事例

Cogniteはノルウェーの大手グリッドオペレータと協力し、気候変動ガスの排出削減、データに基づくメンテナンスで高稼働率を保証、人を危険な作業から開放することを目的として遠隔地の検査手順にロボットを導入しました。

Spotが屋内の変電所に配備され、わずか2日で、画像やセンサーの読み取り値、その他のデータから3Dモデルが生成され、施設のオペレーショナル向けにデジタルツインが作られました。

短い講座を受講するだけで、組織の誰もが地上のロボットと空中のドローンを組み合わせ、複数の場所の複数のアセットを検査する複雑で自律的な検査ミッションを遠隔地から展開できるようになりました。

このグリッドオペレータは2025年までに気候変動ガスの排出量を25%削減するという野心的な目標を掲げています。社内の分析では、ロボットは、遠隔からアナログゲージを読み、遠隔施設のガスレベルを監視するのに費用対効果がよく、排出量削減の目標達成を助けることになるだろうとしています。

 

ロボットでデジタルツインのデータを更新

Cogniteは、統合ソリューション、製品、サービスを世界のエネルギー業界に提供するエンジニアリング企業と協力し、同社の173エーカーの建設現場の一つのデジタルツインを作成しました。このデジタルツインは、建設現場の物理的な現実を仮想的に表現し、定期的に更新される重要な物資の位置情報を提供し、ユーザーが迅速に必要なものを探すのを支援しています。

ロボットやその他のデバイスでデータを収集することで、現場の従業員の負担を増やさずに、デジタルツインの情報を最新の状態に保てます。資材、車両、機器などの最新の情報をすぐに入手できるため、現場にいる3000人すべての従業員が、車両追跡によるロジスティクスの改善、ドローンのスキャンによる現場の正確な計測など、建築プロジェクトのコストとリスクを減らすデータに基づく業務上の決定を下せます。

ある独立系のコンサルティングファームは、一般的なトップサイドプロジェクトで使用されるすべてのアセットや機材の全体像を把握することで、1ポンドあたり0.27ドルのコスト削減効果があると見積もりました。大規模なプロジェクトの場合、数百万ドルのコスト削減につながります。

ロボットは、産業従事者が複数の場所を同時に訪れ、時間をかけてより多くの変化を追跡し、意思決定のプロセスでより多くのデータを使えるように支援します。これには専門家が理解し活用できるデータを取得するソフトウェアが不可欠です。

ここまでに紹介したすべての事例に共通しているのは、ロボットを活用してデータを収集するだけでなく、関連付け(コンテキスト化)し、データを利用可能で理解可能なものにすることの価値です。これが製造業向けDataOpsです。そしてそれは製造業でのデータマネジメントとロボットの未来でもあります。

 

Cogniteにおけるロボット活用の取り組みについて

Cogniteではロボットを活用した製造現場の自動的なデータ取得と活用について取り組んでいます。上記の事例なども含めて、資料を公開していますので、是非ダウンロードください。

JP-Robot-WhitePaper-Cover

 

Share on: